鈴ケ岳(赤城山)

 

山 名:鈴ケ岳(赤城山)

登山日:201438日(土)

登山口:新坂平

下山口:さいたま市少年自然の家

 

昨年12月に矢岳へ行って以来山に行っていない。冬山にも行きたいと思いながらもどかしい日々を過ごしていた。2日前8日は天気がよさそうだ奥多摩方面にしようかと思案していたらふと赤城山を思い浮かんだ、鍋割山・荒山などがよさそうと地図を眺めていたら未だ行ったことのない鈴ケ岳があった。調べると距離はあまりないが面白そうということで、急遽登山準備をする。

スノーシューを持っていくので、バックカントリー用のザックにする、スコップは持っていかない、着るものは冬装備を準備する。スノーシューは女房の借りていく軽くていい。 

 

JR前橋駅から赤城ビジターセンターまで直通バスがある。但し、土日祝のみとなっている、いつも平日にいっているが、そんなわけで土曜日に行くことにした。

JR前橋駅8:45発のバスに乗車する。このバスは、前橋中央駅、富士見温泉に停車、富士見温泉から先は各駅停車して行く。やはり土曜日は客の数が多い、ほとんどが登山者であった。

 

 

新坂平バス停で地蔵岳へ上る男性と二人のみ下車、バス停を前橋方面に200mほど戻ると鈴ケ岳登山口がある。男2女1の若者が出発の準備をしている。

 

登山口からスノーシューを付ける、若者に「お先に」と声をかけて出かける。

すでに先行者がトレースを付けてくれているワカンのようだ。初めてのコースしかも雪山でトレースがあるのは助かる。

 

トレースに従っていくと二つに分かれる、左に3mほど入ってから、左がよさそうと左へ入る。なぜなら左より右の方が短距離と思ったからで地図も見ずに感で右にしただけのこと。これが正解トレースは続いていた、先行者が間違って左に行き戻ってきたのかも知れない。

尾根に出て平坦な道を行くと見晴らしの良い場所に出る、地蔵岳、黒檜山が見える。

 

ウバコの手前で先行者が戻ってくる「冬はどこでも道ですね」と言っていた、また、先に誰もいないことを知らせてくれた。トレースのお礼を言って別れた。

ウバコを過ぎると行きと帰りのトレースが違うところ幾つかあった。「冬はどこでも道ですね」の意味が分かった。

 

 

鍬柄峠から先にトレースが無くなった、今日は風も穏やかでトレースが消えるほどではない、と言うことは先ほどの方はここまでで戻ったということだ。

これから先は未知である、しかし地形図を見ると尾根筋を行けば良いことが分かるので気が楽だ。鍬柄峠からは尾根が広くなるのと灌木が少なく歩きやすい。

 

鍬柄山は標柱の案内板がかろうじて雪の上に出ているが鍬柄山を表すものがない。GPSの地図では鍬柄山を示している。

鍬柄山を少しで急斜面の尾根筋が狭くなる、5mほどスノーシューで降りたところでアイゼンを付ける、アイゼンは前爪の10本爪を持ってきた、やはり6本爪より快適だ。急斜面とやせ尾根で気が抜けないがアイゼンが効いて快調に歩ける。この先は灌木が多い、雪が多く枝を避けながら行くが頭上から雪が落ち首筋に入り冷たい。

やせ尾根を過ぎると広い尾根に出てくる、歩きやすい所を選んでいく。下の鞍部に看板が見える、そこへ向かって下る。標柱が2本、案内表示が半分埋もれて顔を出していた。ここが大ダオ、出張峠はここから下ることになる、急斜面でスノーシューよりアイゼンのほうがよさそうだ。

 

鈴ケ岳はここからが問題だ、どこを登って行ったらいいのかわからない、兎に角上へ上へと行くしかない、看板の左から入っていく、灌木の開いて歩きやすそうな所を選んで行く。

夏なら枝の下を通るので問題はないが、雪が多く枝が目の前にあり、枝を潜るか手でよけて進む、また枝に雪がのっていて頭上に雪が落ちてくる、ストックで雪を落としながら進むので時間がかかる、時たま首筋に雪が落ちて冷たい、毛糸の帽子や手袋に雪が凍りつき真っ白になっている。

 

岩が出てきた、ここは右側から行くと岩の上の左に石板があった、更に大きな岩が出てきたロープが出ていた、岩に雪が付いているのでアイゼンのかかりがいい。

山頂近くで何気なく左へ寄って行くと山頂にある方向表示板に出た、下に「鈴ケ岳14」が木にかけてあった、これは3ケ所で目にした、これがある所が夏道なのだろう、山頂には大きな石板が3枚鎮座していた、鈴ケ岳山頂である。ほとんど夏道に近い道を上がって来たようだ。

下山方向
下山方向

 

鈴ケ岳山頂でテルモスのお湯でコーヒーを入れ飲み終わりの頃に男性が一人登ってきた。

 

「帰りは同じコースですか」と聞かれたので、「大ダオで時間を見て出張峠経由で帰ろうと思います」というと、男性は「夏そのコースを行こうと計画しています」と言っていた。

出張峠(でばりとうげ)へ行きたいので、お先にといって山頂を後にする、トレースはある枝の雪も払われている、登りと比べて楽だ、下の石板は右から降りてみた石板の向きからしてこちらが正規の道のようだ。登山口にいた若者3人は石板の少し下で会った。

大ダオに降りて時計を見る、厚生団地入口のバス停の時間まで3時間半はある。バスに間に合いそうだ、ただトレースのない冬なので時間が読めない、バスはその後もあると、真っ白い樹林の急斜面を開いている所を選んで下る、ほとんど一直線に降りる、夏道はこんな降り方はできない、それほどの急斜面だ、雪はそんなに深くはなく膝程度位、足を取られることもなかった。

地図では沢を離れて左へ夏道が向いているが、標柱がある所からその方向を見ても樹林が開けている所がわからないのとテープも探せなかった。地図を見るとこのまま沢状態を下って行くと沼尾川に出合うので、そのまま下ることにする、沢中も足を取られることもなく雪も固くなって足があまりもぐらなくなった。沼尾川近くで鹿が走り去って行った、その場所に行くと鹿の足跡だらけだった、鹿の遊び場なのかな。

沼尾川にかかる橋
沼尾川にかかる橋

 

地図を見ると沼尾川沿いに大沼湖畔まで登山道が描かれている、出張峠に行きたいので沼尾川に沿って下る、沼尾川は大沼を出、深山をえて利根川へ流れる川だ。

沼尾川を左方向へ行く150mほどで看板があり、その前に橋がある、橋の上に鹿の足跡があった。

橋を渡ると左手にピンクテープがあり、林道と思われる少し広い道が出てきた。ピンクテープを見ながら(テープは見通す場所には必ずあった)広い道状の所をテープに導かれながら進んで行くと右手に尾根が見える、地形がおかしいと地図を見ると夏道は尾根の右側を行っている、ピンクテープはこの先にも見えている、GPSで位置確認すると250mほど間違ってきてしまった、引き返す、200mほど引き返すと下から山頂であった人が上がってくる、「こちらは間違いです」と大声で知らせてあげた。ここからはこの方と同行することになった。

 

尾根の先端近くになって前方左にピンクテープがある、GPS地図ではもう少し下に夏道がある、テープの方が近いとテープの方へ向かう、夏道に出られたようだ、ここからまた先入観が出てしまった。25千分の1地形図を見ると、等高線に沿うように少し登り気味に行く、トラバースするような感じに見えた。実際は大ダオから橋までの標高差は280mを下り、橋から出張峠までの標高差は260mを上ることになる。25千分の1地形図からはそれを読み取れなかった、標高差がこんなにあるとは思っていなかった。

 

トラバースと思い込んでいるのでなるべく水平に行くGPSを見ると夏道の少し下を歩いている、そこで上へと進路を変えまた水平方向へ行く、またGPSを見ると夏道の下を歩いている、こんなことを数回繰り返すが思い込みが間違いだと気が付いていない。

 

同行者はトップを変わってくれたが同行者も同じような行動をする。

 

ハッキリとわかる尾根に出る前、足が股近くまで潜ってしまった、木と木の間に足を入れたようだ、足を引き抜くのが大変だった、ようやく足を抜き斜面に転がるようにしたとき足が攣ってしまった。足が攣ったときは足先を引っ張って直すが、足が深みから抜け出せない状態でそれもできず、只痛みを堪えることしかできなかった。

同行者も疲れていると見え立ち止まりが多くなるが、もう同行者の姿は見えない、足の痛みをかかえながら尾根を上がっていく、同行者は尾根からトラバース気味に足跡が付いている、GPSで確認すると違う方へ行っているようだ、すると下から声がする、こちらで無いようだと、私はこのまま上へ行ってみますと声をかけて上を目指す、尾根の左側に歩きやすそうな斜面がありそちらを行くと出張/自然の家の方向板があった。

ここが出張峠だ、深山バス停と読める標柱が首を出していた。同行者へ大声でこちらですよと声をかける、標柱に腰かけてしばらくすると上ってきた、下からハアハアーいいながら直登してきた。同行者は大沼湖畔への道を確認してから方向板の横、雪面に座り込んでしまった。

 

バスの時間まで1時間あるバスは間に合うだろう。

 

「そろそろ行きますか」と歩き始める。足が痛いが道はハッキリしている、ルートを探しながらでないのが嬉しい。

 

間もなく建物の屋根が見えてきた、さいたま市少年自然の家前の道路に出てきた、ここからバス停まで1.5kmほどしかない、バスの時間まで十分間に合う。

ここからの舗装道路には雪があり氷となっている、アイゼンを付けたまま歩く、アイゼンが効いて気持ちよく歩ける。大沼湖畔の周遊道路を右へ行くと青木旅館前を通り、先の二股を左に行く、T字路で同行者に「新坂平までバスで行かれたら」というと歩きますと言って、新坂平へ車を取りに行く同行者とここで別れる。

私は左へ行く200mほどでT字路、道路看板があるここがバス道路、沼畔厚生団地入口のバス停があるはずがどこにもバス停がない、仕方がないので左の湖畔の方へバス停を探しながら歩く、左に赤い屋根の大きな建物が見え、すぐに赤城少年自然の家の看板がある、道路を見るとバス停の丸い部分だけが顔を出している、ここは赤城少年自然の家の看板があるのでわかるが、他では探すのが大変だ。

 

バスの時間まで10分ほどある、アイゼンを外しスパッツも外し、ストックもしまい、スノーシューに付いた雪を払い、帰り支度をする。バスは6:45のはずが来ないやきもきしていると50分過ぎに来た、バスが見えたときはホットした。

 

乗客は半分ほどしか乗っていなかった、富士見温泉では8人しかいなくなった、バス車内でオーバーパンツを脱いで、帽子に付いた氷を取ったりして下車の準備をする。

 

前橋駅でバスを降り、ストックを付け直すのでポケットを見ると膨らんでいる、ストックを外しポケットへ手を入れると雪が入っている、両方のポケットから雪を取り出す。

 

JR前橋駅からは快速アーバン上野行きに乗車、大宮まで1時間25分座って来られた。

 

 

今回も反省が多い山行だった、事前準備で高低差の確認、思い込みを解消しなければ、今回のようにGPSで見ると僅かの違いなので思い込みを脱しきれなかった、これが大きく違えば思い込みをしないのだが(これは言い訳)でも無事帰って来られたので良かった。でも足はパンパンに張っていて駅の階段の上り下りが大変だった。

 

 

冬の鈴ケ岳は往復4時間かからなく、やせ尾根や岩場があり楽しいコースだ、冬山初心者を連れて行くにはいい山と感じた。今日は天気も良く風もあまりなく快適な一日を過ごせた。 

 

注:沼尾川を大沼湖畔までの山道情報がまったく探せなかった。今も使われているのかわからない。このコースを行かれる方は地元の情報を集めて行かれるといいでしょう。

 

ちなみに橋から湖畔までの標高差200mほど。

情報は「蛇腹岩滝」「スズラン滝」で検索すると深山方面からスズラン滝までの記述があるが、そこから湖畔までの記述はない。滝のある場所は地図上の崖記号のある場所あたりのようだ。

 

行程

新坂平登山口 954

展望台 1020

鍬柄峠 1044

鍬柄山 1154

大ダオ 1139

鈴ケ岳 1237   243(夏道時間 150

鈴ケ岳 1257

大ダオ 1319

橋   1344

休憩 007

出張峠 1536 1545

さいたま市少年自然の家 1600

赤城少年自然の家バス停 1632   335

所要時間 638

 

GPSや地形図を見る度に立ち止まるので、それが休憩時間になり、あまり休憩を取らなかった。雪道は疲れる。

 

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