赤久縄山  1522.3m(群馬県)

山 名:赤久縄山

登山日:2010年11月7日

登山口:栗木平・早滝登山口

 奥白根山からもう一月になる。どこか山に行こう、身体が鈍ってしまう。そんななか。
 群馬県神流町(かんなまち)にある栗木平から早滝を見物し、西上州の最高峰という赤久縄山へ行くことにした。
 大宮を朝5時45分にでて、高速道川越ICから本庄・児玉ICを降り一路神流町へ、この道は神流川沿いにあり、くねくねと曲がっているので走りにくく、何度走っても好きになれない道である。
 神流町に入ると警官の姿が見受けられる、ネズミ取りの準備でもしているのか、神流町の中心地に近づくと、警官の姿と、小旗を持った住民が大勢道路に立っている、何かイベントがあるようだ、後で分かったが、昨年から開催されている「神流マウンテンラン&ウォーク」という山岳マラソンが行われるということだ。

 

 我々の登山口は栗木平という場所で、この栗木平が26Kmコースのスタートだという、栗木平にいくと大勢の参加者がスタート地点にいた。今日の参加者は200名だという、その人々の間を早滝への左の林道へ向かう、係の方に聞くと栗木平をスタートし、早滝登山口を赤久縄山のスーパー林道を通って持倉へ下るという、我々はスーパー林道まで同じコースを取ることになる。

 
栗木平のスタートは9時という、栗木平を左折して下ると、早滝登山口の看板に出る。その先橋を渡った林道分岐に林道図の看板がある。ここが広いので駐車をする。見ると林道分岐に「神流マウンテンラン&ウォーク」の案内標識があった、ここを彼らは通るようである。

早滝登山口の看板
早滝登山口の看板

 早滝登山道入り口まで戻り登山を開始する8時20分、早滝と書いたプレートに従い山道を行く。急坂を上がるとじめじめした平坦地にでる。ここから早滝のプレートはなくどちらに行くのか分からない。左方向にピンクのビニールがぶら下がっている、そちらに向かうと林道にでた、なんてことはない駐車した場所の林道分岐を来るとこの道にでる、なんか損をしたような気がする。9時になるとマウンテンランがスタートする、混まないうちに先に行こう。

 早滝の入り口から山道をそれて滝見物に行く。途中3箇所の太い鎖場を通るが鎖がなくても通過できる、観光客用に設置しているのだろう、落差約40m(神流町のHPで)で冬には凍結した氷瀑が見られるという、滝の下までいけるが、少し手前から写真を撮る、紅葉を期待したが上に少し色づいている程度、早滝入り口に戻る。

 ピンクのビニールテープに「神流マウンテンラン&ウォーク」と書いたテープが沢山あり道に迷うこともない、沢を流れる川も澄んで綺麗な流れである、岩を削って流れる滑状態であったりして綺麗であった。

 

テープに従って急斜面を登って行くと、送電鉄塔へいく道にビニール紐で通行止めにしている、マウンテンランの参加者がそちらに行かないようにした処置で、我々は休憩する為にビニール紐をくぐる、鉄塔にくると下から声がする、マウンテンランの参加者のようである、すると中年の男性が先頭、次に若い男性が来た、時刻は9時18分、我々はここまで早滝見学を除いて52分、それを18分とは、速い、後続が少し離れている。

 

 7分の休憩で出発、マウンテンラン参加者が続々列をなして登ってくる、なぜかグループが出来ている、マウンテンランの邪魔にならないように、参加者が追いついてきたときは脇によって通過してもらう、グループが通過すると、その後を追うように歩く自然にグループの後ろに着いて行く、直ぐに息が揚がり立ち止まる、歩く速度が違うのに、なぜかペースを一緒にしようとする、グループを通過させる度に同じことをするので、自分のペースがすっかり狂ってしまい疲れてしまった。

 「あと少しで、上り終了!頑張れ!」の表示がある、道は急登でもう少しで上り終了を信じていくが、少しでは終わらなかった、マウンテンランの参加者にはもう少しなのかも知れないが、私には少しではなかった、このマウンテンラン参加者に山ガールが多いのにビックリした、中には山ガールに似せた同じ格好をしている中高年の人までいた、中には秋葉原にいるロリータで参加している者もいてビックリさせられた、しかもその格好で、バックを持って走っている、二度ビックリである。

 

 スーパー林道に出ると、マウンテンランのスタッフが参加者に激励の言葉を掛けていた、スーパー林道を走っている人、歩いている人色々で、この参加を楽しんでいる様子が見て取れる。

 スーパー林道を赤久縄山へ向けて歩き、送電線鉄塔の少し先に林道から別れて登山道が左にある、「熊出没注意」の看板から入る、ゆるい坂を上がっていくと低い笹原にでる、熊の出る雰囲気がある、落ち葉の積もった登山道を気持よく歩ける、スーパー林道にでてから山頂まで30分程度、樹木に囲まれた山頂にでる10時30分、登山口から早滝見物して2時間10分であり、まあまあの時間だろう。

 それでも少し樹木の切れた場所から富士山が見えた、また、東西御荷鉾山、誰かがHPにオッパイ山とかFカップ山などと表現していたが、その通りに見え、うまい表現をするものだと思った、山頂にはベンチがあり休憩するのによい、一等三角点もあった。

 山頂を10時53分発、道のない南尾根を下ることにして、地形図と磁石で尾根の進む方向をシルバーコンパスにセットする、進む方向に行くと、ブリキの標識が木に打ち付けられていたが文字は消えて見えなかった。

 

 山頂から藪であるが10m程でうるさくはないし見通しがきくので心配なし、この方向に進むが踏み跡がない、進む方向に急斜面をジグザグに下っていく、所々に表示の消えたブリキのプレートと色あせた青いビニール紐が木に巻いてあるが目立たない、両方共数は少ない、踏み跡もあったりなかったり(ない方が多い)。

 

 尾根の方向を確認しながら進む、狭い尾根は心配ないが、広い尾根には支尾根があるので、進む方向を確認しながら移動する、尾根を忠実に下ると大岩の上に出ることや、下れそうにない急斜面にでる、その時は少し戻って斜面の下れそうな場所を選んで下る、踏み跡のある場所はそんな心配はないが、2万5千分の1地形図の等高線1本は10mの間隔で高さ10m以下のものは表現できないので地形図を見ていてもわからない所がでてくる、前方の地形を判断して進むことが出来ればそれに越したことはない。

 

 磁石の方向に尾根が外れる箇所で、GPSで位置確認、そこから尾根の方向に磁石をセットする、また、磁石の進む方向へ行く、順調に下る、磁石のセットは山頂と1470m付近及び1020m付近の3回行った。

 杉林の急斜面を真直ぐに下って行くと山道にでた、今下った場所の左側に山道がハッキリと出ていた、ここから磁石の方向から右へ山道が付いているので、また尾根筋に戻るだろうと山道を辿ることにする、山道は倒木で塞がれている、これを跨いで行くが10m程で道がかなり薄くなる、でも、この方向に道があるのだろうと行くと、川にだんだん近づき山道も消えてしまった、方向からもかなりづれている、道間違いに気づいて戻ることにする。

 

 ところが倒木の所で、その向こうの山道を下から見ているので見えない、倒木を反対側から見ているので、別の所を歩いていると思い込んでしまい、倒木の下を横にトラバース気味に行く、踏み跡のような所を行くと、また倒木に出る、仕方ないので山道に戻るために急斜面を上に行く、道は進行方向にあるので、それを探しに斜面を上方向でさらにトラバースで斜面に向かって右方向へ移動する。

 

 すると右に川が流れ、その上流に滝が見えた、これはHPで名無し滝と書かれている滝だと直感した、ではこの辺りに山道があるはずと河原の方や斜面を見ても見つからない、そこで急斜面を注意しながら真直ぐに登ることにする、すると山道に出ることができた、出てきた場所にわずかに踏み跡のようなものがある、我々はそこを登ってきたことになる、この山道の場所は、杉林を下ってきてぶつかった山道より5m程北側に出てきた。

 

 この場所で一服して再度GPSと地形図で場所を確認する、休憩後、先程間違った山道を再び行く、倒木の所で注意深く見ると下に道らしきものがある、そこも倒木で塞がれている、しかし、あきらかに道のようである、そこへ降り、道と思われる所を歩く、迷いで引き返した場所で道らしきと思ったところであった、この先に倒木があり、我々はここから上に行ったので今度は倒木の先に行く、するとハッキリした山道がその先にあった、山道は尾根をトラバースするように川の方向に曲がって行く、ブリキのプレートがあった、その先には滝が見える50m以上距離があるようだ、しかし、滝から直ぐに家があるとHPにあったが家などはどこにもない、家が立つような平坦地がないのである、周囲を見ていると川向こうの上に林道らしきものが見える、そこで目前の川を飛び石伝いに渡渉し、急斜面を上がると、草で覆われた林道らしき所に出た、ここをを少し歩くと家の前に出てくる。


 地図上から尾根を下ってきて、左右に沢状の地形があり、水がある場合はどこかに橋があるのか、又橋がない場合どこを渡渉するのかは気にかけていた、結果は滝のある川で、両岸の傾斜の緩い場所、そして渡渉可能な地点に降り立つことで林道のような所に出ることが出来た。

 

 家の前をジャバラ門扉の横を通って林道を下っていく、50m程で左に曲がり、少しで車の通る林道に出てきた、林道を左に6分程歩きカーブを曲がると目の前に車があった。13時8分。(道迷い36分含む)今日は、迷い時間、及び休憩を含めて4時間48分の山行であり、マウンテンランや道迷いと楽しい山行であった。

 昔はGPSなどなく、地形の現在地を特定できる場所で進行方向を求めていたが、GPSのお陰で現在地の把握が楽になり、方向への位置精度も向上した、道のない山には昔、登っていたが、今は磁石や地図を見ない登山が多く、今回もハッキリした山道がでてくると、それを信用してしまう、地図や磁石を使わない登山の弊害が出てきているようだ。

 

 使用した地形図はカシミール3Dで磁北線と経緯度線を引いたものを印刷した、コンパスはシルバー社のFieldコンパス(ミラーと蓋付き)GPSはWintec社(台湾)のG-Trender BTで経緯度が表示できるもの、位置情報を入れておけばナビも出来ます。

 

 下のGPS図は赤久縄山からの下りのみGPS図です、下の方で道に迷いウロウロした軌跡が載っています。(青線:下り、赤線:上り)

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