矢岳 1,357.9m

山 名:矢岳 1,357.9m

登山日:2012年5月13日(日)

登山口:武州日野駅(昌福寺)

中央の三角錐が矢岳
中央の三角錐が矢岳

矢岳は埼玉県秩父市荒川にある。

秩父から山梨に抜ける国道140号、秩父鉄道・武州中川駅近くから南に見える三角錐の山ですぐわかる。

 

矢岳へのコースは

①武州日野駅から矢岳林道終点から長沢背稜の尾根に出て左へ行くと矢岳

②熊倉山または酉谷山から長沢背稜で矢岳へ

③武州日野駅から北尾根を詰めて直接矢岳へ

④武州中川駅から若御子山・大反山・篠戸山経由で矢岳へ

⑤武州中川駅から若御子山・大反山を経由せず、篠戸山経由で矢岳へ

 

⑤のコースは踏み跡もシッカリしていて一般向き、他のコースは踏み跡も不明瞭な箇所が多く、読図できる者が入れるコースである。

特に③の逆コースは山頂に「平成9年11月中、この先で2件の滑落遭難事故が発生しています。」と北尾根に入り込まないよう注意書きが埼玉県警察山岳救助隊の名前で設置してある。

2012年5月12日(土)夜、妻と二人で大宮を出発、秩父鉄道・武州日野駅の駐車場で車中泊。駅はこの時間無人駅だが明かりが点いている、綺麗な水洗トイレも別棟にある。国道140号の側にあるが、駐車場は国道より少し高くなっているのと樹木が少しあるので静かであった。

 

2012年5月13日(日)早朝に駅から昌福寺へ移動する。昌福寺にしたのは帰りに便利なことと駐車が出来る事で決めたもの。

 

寺の前に人家があり、86歳だという耳の遠いおばあさんと話をする。昌福寺の住職は通い住職で普段はこちらに来ないと教えてくれた。ここに駐車しても良いかとと聞くと「いいだよ」と言ってくれた。

矢岳へ行くというと、この道を行けば林道に出れると教えてくれた。

 

今日のコースは上記③のコース(上りでは尾根を間違えることが少ない)を行き、矢岳からは④を逆に歩きここへ戻るコースである。

おばあさんに挨拶して、出発昌福寺の階段を登り社の右に行くと駐車場からの道に合流、合流から少しでキャンプ場への林道(舗装道)に出る、ここに「明ケ指たまご水1.4Km 24分」の標柱がある。

道は安谷川(あんやかわ)の右岸に沿って付いている。

 

林道へ出てから17分、「武州日野駅 1.5Km 23分」の標柱があり、ここを右に行くと安谷川木橋(橋が途中で直角に曲がった独特の木橋)へこれで安谷川を渡り武州日野駅へ行く道となる(矢岳林道もこちらから対岸に渡る)。

 

直ぐ先がキャンプ場で廃車が2台ほどあり営業をしているのかわからない、キャンプ場先に、持小屋沢に掛かる小さな橋を渡る。

右手に「明ケ指たまご水 100m 1分」とあるので、そちらに行くが道は川から離れていくので途中で戻ることにした。(後で直ぐ先にあることがわかった)

 

橋の先には別荘なのか人家が数件ある、どの家も雨戸が閉まっている。橋から左側の道へ入る、人家の前を通って突き当たりの道がなくなる場所が今日の登山口。

ここまで車で入れられる。

突き当り潅木帯へ突入
突き当り潅木帯へ突入

取り付きから矢岳まで標識は一切ない。

踏み跡もないので、潅木の中の急斜面を雷光型で適当に登る。

潅木の中は落ち葉で少し滑る、足をシッカリと踏みしめながらの登りとなる。

左の杉林(植林地)の方が足場がよさそうに見えたので斜めにそちらに行く、潅木帯より少しましな程度、なにせ急斜面で足を踏ん張って登るので脹脛が悲鳴を上げている。主尾根に出るのに35分も要した。

祠

尾根に上がると、狭い尾根なので尾根を外すことはない、斜面が緩くなったり急斜面であったりするが、コースを間違えることがないので助かる。

それでも要所要所で現在地をGPSで確認した。(ここを上りに使うにはGPSは特に必要がない)

 

尾根に上がるとすぐに地図にある585mになるのだが、通り越ししまった、尾根に上がってから20分程で祠に出る。ここでGPSを確認したら585mはとうに過ぎていることがわかった。

 

祠のあたりは傾斜が緩く少しだがハイキング気分で歩ける。日差しはあるが風が爽やかで暑さはそんなに感じない。急斜面を見上げると新緑が眩しい、とその先にサビたロープが捨てられていた。

820m付近から樹林越しに熊倉山方面が見えてくる。この当りは潅木が多くて新緑で気分がいい。

 

右側がスパッと切れ落ちて上部がオーバハング状態の尾根に出ると、前に樹木がないので実に見晴らしがよい。(といっても熊倉山しか見えないが)

 

このすぐ先で少し下りるが、そこに大岩が座っている。大岩の基部に行きルートを見てみる。インターネット情報でここを左とあったが右と左を見てみる。やはり左側に抜けられる、岩と岩の間に木の根が上から下まで、3m?程張っていて、これに手をかけて登れば問題なく登れる。インターネットで「大岩の左から這いつくばって巨岩を越し」とあったので、細引きを持参したが必要なかった。今回はどこもロープを必要とする場所はなかった。

ヤセ尾根を行く、広い斜面に出る、GPSで位置確認をする。山頂は直ぐそこのようである。山頂方向を見ると白いテープが点々と付いている、これに従って急斜面を上がると武州中川駅からのルートに合流する、ちょうどそこに三等三角点があった。

直ぐ先に山頂がある。

山頂は樹林で展望は得られない。山名板も木に「矢岳」と書かれた板が3枚ほどあっただけの山頂であった。

 

埼玉県警察山岳救助隊の警告板があり、内容が消えている箇所があって、読み取れるのが6行で遭難事故があったことはわかるが、北尾根に入ることを警告することなのかわからない。

 

温度計があった。10°Cであった。

矢岳からは④の逆ルートを取る、急斜面の下り、武州中川駅方面へはこの北北東の尾根を下る。急斜面の途中にアカヤシオが咲いていて疲れを癒してくれる。

 

アップダウンが何回かあるが矢岳から下りの場合はあまり苦にならない。

踏み跡もシッカリ付いている。

 

さくら湖に向けて大きな伐採地にでる。篠戸山とようやく判別できるものが木に括りつけられている。

 

振り返ると矢岳が見える。矢岳全体を見るには一番の場所のようだ。

 

さくら湖の上に武甲山・小持山・大持山・有間山が見える。

やわらかい風が気持ちいい。

気持ちのよい篠戸山を下り、少し上がりでまた下る、鉄塔に出る。

69号鉄塔である。鉄塔の下をくぐると左右にアカテープがある、ここは巡視路の黄杭のある左に行く、5分ほど下ると巡視路の黄杭がある、ここがクタシノクビレだが、それを表すものがない。

 

ここを左の巡視路へ行くと、大反山を巻いて武州中川駅へ行く道、真直ぐに急坂を行くと大反山へ行くことになる。ここは真直ぐ行く。

道を入って直ぐに、警告板が木にくくり付けられていた。

 

急坂を喘ぎながら登ると大反山へ出る。木に大反山と書いた板が木にかけられている。木と木の間に三等三角点があった。 

大反山を下って行くと尾根筋がハッキリしない広い場所にでる、赤テープに導かれて左方向に行く、様子がおかしいのでGPSで位置確認、すると巻き道方向へ行く踏跡に入ったことがわかり分岐らしい所まで戻る、分岐は、ここと示すものはどこにもない、この辺かと見ると右方向に倒木がありそこに赤テープがあった。念の為に位置確認し地図で行く方向を確認し、間違いがないので、そちらの踏跡を辿る。

 

この先に少し上りになると木の下に祠があった。また急斜面を下り、緩斜面になると若御子山に出る。

ここも地図上に地名がない。若御子山と書いたものが木にぶら下がっている。樹林の中で展望はない。

若御子山の西側は崖で向こうにさくろ湖が見える。

若御子山を北に行き、崖の左側に赤テープがある、ここを左下に向かって急斜面を雷光型に下る、木があるので助かる。インターネットで急坂で怖いと書かれていたが、怖いと書くほどのものではない。

 

途中長いロープが出てくる、使わなくても下りられるが使わせていただいた。更に下ると、倒木にピンクテープが巻いてあり、その先が窪地になって大石が散乱している。

 

窪地の先に大岩があり、その左側に立派な道がある。

大岩を回り込むと、また急斜面になる。下りていくと屋根らしきものが見える。その左側に下りると、赤い鳥居と3つの祠がある。

 

鳥居から少し下の窪地を巻くように行くと、石段状態の道に出る、参道のような道である、その先上に壊れた祠に出る。祠から先は下りになるが踏み跡程度から山道らしくなる所にでた。ここは下から来ると左の杉林に入ってしまいそう、ここは下からきた場合は右に上がっていくのが正解。

山道をなだらかに下って行くと若御子峠に出る、右に行くとさくら湖、左に行くと武州中川駅、左へ行く。

ここは自然遊歩道となっているので歩き良い、いこいの広場を通って下っていく。

 

人家が見えてきた時、近道があるという、どこにあるかわからないが、とにかくあるという、鹿よけのネットを開けていくはずといわれ、道の下にあるネットへ降りることにした。人様の畑に無断で入っていいのかと思いながら、鹿よけネットを開いて入り、ネットは元通りにして、畑に入る。壊れたビニールハウスの脇を通り人家へと出てきた。

 

後は舗装道路を歩き、鹿害が多くて農家をしてられないなどの愚痴を聞かされたりして、昌福寺へ戻ってきた。

おばあさんに挨拶しようと人家前に行くと大きな犬がいて玄関に行けない、耳の遠い方なので大声を出しても聞こえないだろうと諦めて、挨拶なしで帰路についた。

 

妻に若御子山に連れて行けといわれ、調べるうちに矢岳が面白そうとして実行した山行。今回の山行で尾根や斜面に下草や笹が一切なかった、これが歩くのに楽させてくれたようだ。笹や下草があった方が踏み跡がハッキリするので良いようだが、歩きやすいのは無い方だろう。楽しい山行だった。

行程

 

昌福寺5:43-取り付き点6:20-主尾根6:52-祠7:10・7:20

 

休憩8:11・8:20ー大岩8:49ー矢岳10:12

 

矢岳10:29-篠戸山11:45・11:59ークタシノクビレ12:29ー

 

大反山12:51・13:00ー祠13:19(道間違いでロス)ー若御子山13:33ー

 

窪地13:45ー赤い鳥居13:48ー若御子峠13:58ー鹿ネット14:19ー

 

舗装道路14:28ー昌福寺14:46

 

全行程:9:03(行き:4:29 帰り:4:17、山頂休憩含まず)

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