和名倉山 2036m 埼玉県(地図では白石山と表記)

山 名:和名倉山 2036m

登山日:2011年5月4日

登山口:秩父湖(二瀬ダム)二瀬尾根

 二瀬ダム手前にトンネルの信号があり、青で進み二瀬ダムサイトを通り、右に「秩父湖南公衆便所」と書いたログハウス風のトイレがある。その横が駐車場になっている。駐車場は傾斜している。トイレの側に3台ほど止められる平らな場所があり、そこに車を止めて車中泊をする。

 

 5時24分駐車場をで、外は充分に明るい、今日は10時間コースとして覚悟を決める。舗装路を先に行くと、直ぐ右に「埼玉大学秩父山寮」の建物がある。ここの左側に秩父湖への細い道がある。入口には標識があるが登山届などを入れるものはない、細い道を降りると直ぐに水平道で吊り橋まで続いている。駐車場から8分ほどで吊り橋、吊り橋には「一度に5人以上同時に入らないで」と注意書きがあった。吊橋の床もシッカリして揺れも感じさせない、不安はなく渡れる。

 橋を渡ると左手崖にコンクリート製の道が付いている、コンクリートを支えているサビた鉄の支柱で見ていて心もとない。コンクリートの道は落ち葉で隠れている。この道は直ぐに終り、岸壁に付けられた道を行く。

 100m程行くと真っ直ぐの山道と右に行く山道がある、切り株に赤いテープが巻いてある、ここは右手に上がっていく。尾根まで暗い植林の中の急登である。

 尾根に上がってからもジグザグな急登を行く。左が植林、右が潅木で潅木帯の明るい方を歩くようになる。展望は下に集落が少し見えるだけで、ほとんど展望はきかない。ただひたすらテープ類を目当てに登るのみ。景色を見る、花を探してなどの楽しみはまったくない。一時間に一本と休みを取り、2回目の休みを取ろうとした時、開けた広場にでる。右手山側に「登尾沢ノ頭」と書いた立て札があった。ここが電波反射板跡地である。帰りの山道を確認し、左手の原っぱで休憩を取る。7時27分

 電波反射板跡から水平道に入った直ぐの所、左の笹の中に鉄の車輪が転がっている。その少し先には太いワイヤーが地中から顔を出している。水平道の始めは幅の広い両側が笹である。しかし、道は広く笹の影響はまったくない。水平道の林道は崩れている場所や細くなっている所、また広くなっている所と2km程殆ど水平に道が付いている。

 

 道が崩れている所を慎重に行けば問題はない。途中道の両側の木に意味ありげに赤テープが巻かれている所がある(ここを右上に行って迷子になった人がいるようだ)。その先に倒木があるが、倒木を潜って行けるので問題はない。左側先が明るくなってくると、道に太いワイヤーが何本も出てくる。直ぐ先にトロッコの車輪やレールが出てくる。一升瓶が大量に散乱している。

 

 ここは道が不明瞭で下に広い歩きやすい場所があるが、ここはレールのある位置を水平に行くと良い。左手に大きな滑車がサビて転がっている(ここの下側を通ると滑車を見失しなう)。少し先に右側にトタン屋根が崩れた造林小屋跡がある。付近に穴の空いた御釜・タライなど、生活で使ったものが散乱している。あちらこちらにある一升瓶が日に輝いていた。

 造林小屋跡の少し先、右手に「白岩山頂方面 奥秩父山岳会」の木板が大きな石の上に置かれている。この標識には少し抵抗がある。地図上では白石山となっているが、埼玉側では和名倉山と読んでいる。なのに奥秩父山岳会が白石山と書いていることである。だが地図に白石山とあるのでこの名称を使ったものと解釈しておこう。

 

 木板がある所は沢になっていて、木板の指す方向に倒木がとうせんぼしている。これをみて水平道をそのままいくような人もいるようだが、ここはこの倒木を潜っていくのが正解、20m程登ると水が流ている。ドラム缶の壊れたのが小川に埋まっている。水を飲んでみると柔らかくクセのない水で美味しかった。

 沢の中の道は薄く、どこでも歩ける。沢中はそんなに広くないので上部に目をやり、注意してテープを探すとテープが案内してくれる。水場から急登を15分程で赤いバンダナが木に吊るしてある。ここから3分程で笹薮の始まり、笹漕ぎの為に軍手を持ってきたが、笹薮は開けていて笹を漕ぐまでもないと判断し軍手はしなかった。

 

 笹薮に入って44分程で笹薮が終わる。手で笹をわける所もなく通過できた。ただ夏場だと笹の葉っぱが繁って少し手で分ける場所もあるだろう。いずれにしても道はしっかり付いている。一部左に行く鮮明な道がある。帰りには注意しないとそちらに行くことが考えられる、注意するのはこの部分くらい。

 

 笹薮が切れたところから右手に向かい、急斜面に付いているテープ類を目指して急登する。笹薮を出て30分程で広場にでる。テン場に良いところだが水場がない。手前に「この先スズタケのヤブ遭難多し!!」がビニール袋に入れて木に掛けられている。

 広場の先、岩尾根を30分程で笹ッパ(1996年版のエリアマップで呼ばれている名称を使った。他では笹ツ場と表記している)と呼ばれる明るい傾斜地に到着する。笹ッパで休憩を取る。笹ッパを出ると、直ぐに倒木に苔がビッシリと付いた林に入る。苔が美しく、空気がヒンヤリして気持ちがいい。今回の山行で一番気持ちがやすらぐことが出来た場所である。20分位で明るい樹林になる。

二瀬分岐
二瀬分岐

 この場所から少しで「白石山頂 25分」の立札、「家族に伝えたか?」と書かれて紙が、更にその下に「二瀬分岐」と書いた紙がある。秩父湖からきた場合、この地点の上を通るので注意していないと通り過ぎてしまう。

 二瀬分岐からなだらかな上りで、そして下ると木のない斜面が広がっている。斜面を下ると「千代蔵ノ休場」のまだ新しいプレートが枯れ木にビス止めしてあった。

和名倉山山頂
和名倉山山頂

このプレートから少し上りになる、切り株だらけの斜面から樹林の中に入り、倒木をまたいだりして行くと和名倉山プレートがある山頂に到着。(11時35分)

 

 山頂は樹林に囲まれて展望が全くない、三角点が広場に埋まっている。

 

 特に目についたのが「仁田小屋登山口」の標識だ。今回仁田小屋からのルートを検討したが、林道がどこまで入れるか見当がつかなかったので取りやめたコースである。登山口とある方向へ入ってみたが、倒木をいくつも跨いでいかなければならなく踏み跡すらない。倒木を過ぎれば踏み跡程度はあるのだろうという思いで戻る。

 

 和名倉山は待望の山だったが大佐飛山のような感動はなかった。しかし、達成感はある。計画より大幅に時間が立っている。山頂を後にする。(12時)

 秩父湖から二瀬尾根を登って、3人に出会った。川又から山頂付近でテン泊し電波反射板跡から不動滝へ降りるという男性1名、将監小屋から秩父湖へ下る男性1名、二瀬尾根で合ったのはこの二人、二瀬分岐で将監小屋方面に下る男性1名、5月連休でまだ多くの方が将監小屋から来てると思うが、我々は遅く到着しているので、彼らは既に将監小屋方面に帰ってしまったのだろう。

 

 二瀬尾根は静かでルートを探しながらの登山ということで選んだが、静かではあったがルートについては注意していれば問題ない。ただひたすら急登と戦わなければならない、展望もなく苦しい登山だった。

 和名倉山にただ登るというのであれば、将監小屋からのコースをお勧めしたい。

 

 下りで2箇所道を間違えた。1つは笹ッパを少し上に行くところを下ってしまった。もう一つは下の方の樹林帯を下って行くと右に道が続いている左に行くのを右に入ってしまった。いずれも30m程道を踏み外した後引き返した。いずれも早めに気が付き無理せず戻ったのがよかった。また、道を間違えたのではないが、秩父湖の手前で往きと違う道を通ってしまった。

 

5時24分に出発し、16時37分に駐車場に戻ったので、休憩込みで11時間13分の山行であり、疲れたの一言。しかも次は栃木の日留賀岳に行くという、うちの山の神には従わなければ恐ろしい目に合うかも!ハイ行きます。

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