上越国境谷川岳主稜線(谷川岳・万太郎山・仙ノ倉山・平標山)

山 名:

一日目:谷川岳天神平~肩の小屋~オジカ沢の頭~大障子の頭~万太郎山~越路避難小屋

二日目:越路避難小屋~エビス大黒の頭~仙ノ倉山~平標山~平標山の家~平標登山口

登山日:2013919()20日(金)

登山口:谷川岳天神平 下山口:平標登山口

 

19日は木曜日、ロープウェイ乗車は登山者で4名、ゴンドラの前後にも乗客がいる、平日なのに人がいる、さすが人気の山である。

土日に来た友人が、人のお尻を見ながらノロノロと歩き、岩稜帯では渋滞にあったと嘆いていたのを思い出した。今日はそんなことがない。

今日は天気が良いが風が少しあり暑さをあまり感じない。ロープウェイまでは半袖で来たが、ロープウェイ山頂駅では肌寒さを感じ長袖にした。今日着てきたシャツは袖をジッパーで外せる形のもので、取り外すのは着たままできるが取り付けにはシャツを脱がないと装着できない。

 

笠ケ岳・朝日岳・白毛門
笠ケ岳・朝日岳・白毛門
天気がよく振り返れば、10月に予定の白毛門・笠ヶ岳・朝日岳が見える。

木道のある山道を行く。
熊穴沢避難小屋
熊穴沢避難小屋
熊穴沢避難小屋から、いわお新道を左に見て行く。山頂へは小屋の裏側を行くと、この分岐はわからない、小屋の正面に回ると分岐は前にある。
小屋の少し上が森林限界で笹原の道になる、暑い日は日差しを遮るものがないので苦しい登りになるようだ。
爼嵓、手前は中ゴー尾根
爼嵓、手前は中ゴー尾根
笹原の登りで左手(西)にオジカ沢の頭より派生する爼嵓の尾根が荒々しい姿、手前が中ゴー尾根へ谷川温泉へのルートである。
肩の小屋
肩の小屋
笹原の岩稜帯を登り傾斜がゆるやかになると肩の小屋が見える。
赤い屋根の上に太陽光発電のソーラパネルがのっている。
青空が眩しい。
肩の小屋前から万太郎山方面
肩の小屋前から万太郎山方面
小屋の正面に万太郎山への分岐があり、これから歩く尾根に道が真直ぐに付いている。誰も人の姿がない。
手前のピークがオジカ沢の頭か、その奥は万太郎山、更に仙ノ倉山も見える。
右奥の平らな山は苗場山だろう。
中ゴー尾根を見る
中ゴー尾根を見る
笹原を下っていくと中ゴー尾根の分岐に出る。
この尾根を下ると二股で熊穴沢小屋からのいわお新道で合流し、谷川温泉へと降りられる。
初心者は入ってはいけないと本に書いてあったが今はどうなのだろう。
中ゴー尾根の左側はヒツゴー沢として沢登りとしてよく使われているようだ。
分岐を過ぎても下りは続く、道の両側は笹原で笹が刈り払われた道になっている、しかし、道に刈り払われた笹が重なって足元が不安定でよく滑る、いつも下りは早いのだが、笹の下が見えないので早く歩けない。
オジカ沢の頭への登りになると尾根が痩せた岩稜帯になる。
このコースに「マツダランプ」の古い看板がある。これは谷川岳主稜線を開拓した直ぐ後で、東芝(米国産マツダランプを輸入販売)の人がここで死亡事故を起こした。事故を起こさないようにと後で設置したものだという。肩の小屋より500m置きにこの標識がある。今もその内の幾つかが健在である。
オジカ沢の頭避難小屋
オジカ沢の頭避難小屋
オジカ沢の頭を過ぎると直ぐ下に避難小屋がある、カマボコ型で3人が寝ることができる。
内部は3枚のスノコが引かれている。端の2枚は中央へ傾斜しているのでうまく寝ないと3人がくっついて寝ることになる。
大障子避難小屋
大障子避難小屋
オジカ沢の頭から左手に爼嵓への尾根を見て西に真直ぐ進む、下ってまた上りになり小障子の頭にでる、前方下に大障子避難小屋が見えてくる。小屋前のベンチに人がいるようだ。
下って行くと広い場所にカマボコ型の大きい避難小屋が立っている。広場に同年代の男性が一人お茶をしていた。挨拶をして小屋内で休む。
小屋は10人位は泊まれるようになっていて、天井にプラの波板が一部張ってあった。
男性はここで泊まり明日は平標山経由で帰ると言っていた。
大障子避難小屋の内部
大障子避難小屋の内部

この小屋の谷川岳寄りに水上方面に降りるように道が付いている、ここを下ると水場に出ると小屋にいた男性が教えてくれた。

この水場は平標山から谷川岳まで唯一のものであり、ここを利用する人が多いようだ。また、他の避難小屋は3人の宿泊に対して、ここは広い。

私は越路避難小屋に泊まるのでと云い先に行く。

私は翌日に楽をしたいので万太郎山の先にある越路避難小屋泊まりと決めていた。その為に水を5リットル担いできた。これは水場に寄ると20分ほどロスする時間が惜しくて重たくても下から持ってきた。
大障子避難小屋からはまた上りになる、目の前のピークは大障子の頭、大障子の頭からまた下りになる。
下りは笹で下が見えないので時間が稼げない、露岩帯もあるがこちらの方が歩きやすい。
土樽・吾策新道分岐
土樽・吾策新道分岐
鞍部から急登になり万太郎山頂の手前、土樽への分岐にでる、下から見るとこの標柱が山頂標柱と思ってしまうが山頂はもう少し先にある。

万太郎山山頂に到着。
谷川岳と平標山の中間点ということで、谷川岳方面と明日行く仙ノ倉山のどっしりとした山容が見られる。
万太郎山
万太郎山
北側には下に湯沢の街がその上に越後の山が見える、群馬県側も榛名山などの山々が見え、眺望は良い。
大障子避難小屋から万太郎山までの所要時間は、エリアマップで1時間10分となっている、私は1時間39分(休憩5分含む)約30分も多い、いつも休憩を入れてエリアマップと同じくらいの時間で歩けるのだが、やっぱり疲れが出ているのか、足に力がかからない気がする、特に笹道の下りで疲れが倍増した感じがする。
越路避難小屋
越路避難小屋
山頂の今は16時少し前、目の前のエビス大黒の頭、仙ノ倉山は日陰で黒くなっている。
万太郎山から下っていくこと下に越路避難小屋が見える。もう少しだ。
越路避難小屋
越路避難小屋
万太郎山から30分で越路避難小屋に着いた。
小屋は3人が泊まれるカマボコ型である。
小屋を覗くと誰もいなかった。 ドアと小屋内部の奥に明かり取りの小窓がはめ込まれていた。ドアは内側に開くので、ドアの分だけスノコが切られていた。
天井にロープがあり物干しに使える。赤いビニールの袋があり中を見ると湿ったタオルケットがあった。
こんな山中でタオルケットを見るとは思わなかった。
越路避難小屋の内部
越路避難小屋の内部
風もあるので外は寒い、ドアを開けたまま炊事の支度をする。幸い風は内部に吹き込まなかった。
夕食は「おいしいごはん」(アルファ米、ササニシキ100%)と
「中華丼の具」
「みそ汁」
食後は「煎茶」を飲みながら「羊羹」を食べる。
夕食は17時10分頃終えてしまった。
ここは尾根上にあるので、この時間でも明るい。
外にいると風が通り抜けるので寒い。

まだ、18時前、食事の支度中に寝床の準備もしたのでやることがない。
寝るには早いが、暖まるのにシュラフに入って横になる。

19時頃時計を見たのを覚えていたが、その後20時半頃風の音で目が覚めた。
星を見ようとドアを開けたら、風が音を立ててキリを流している。
雨ではないが霧と風がすごい。しかし、何故か明るい、ランプなしでも登山道が見えた。

22時頃、今度は寒さで目が覚めた、温度計を見ると、6.5度寒いはずだ。
足にカイロを貼ったが寒い、風は小屋に入らないが3シーズンシュラフでは寒い。
干してあるベストに触ると濡れているような感じ湿気で濡れたようだ、ベストをシュラフに入れ、タイツを履き、上着を着て寝たが、寒さで起こされたり寝たりと朝を待つことになった。

後で気がついたが登山靴をビニール袋に入れなかったことが失敗だった。朝登山靴を履くと内部が湿気で濡れた状態だった。
夜中はまんじりとせず熟睡できなく時々目が覚めてしまった。
4時に時計のアラームで起こされた。
ドアの明かり窓が明るい、外に出て見ると、エビス大黒の頭の上に満月状態の月が照っていた。夜の風も霧も止んでいた。
湯沢の街の灯りが見える。空には星が見えるが月が明るくて星の数が少なく見える。
周りの山は未だ黒くなっているが今日も天気は良いようだ。
エビス大黒の頭・仙ノ倉山の朝焼け
エビス大黒の頭・仙ノ倉山の朝焼け

6時出発予定なので5時頃朝食の支度をする。

朝はラーメンに魚肉ソーセージ、食事後はリンゴを食べ、アクエリアスの粉末で水を500ミリリットル使うと水の残りが少なくなった、それでコーヒーを飲んだ。これで食事用に持ってきた2リットルの水を使い切った。

食事をしたらすることがなく、5時半頃には明るさが増しランプなしでも歩ける状態になってきた。

エビス大黒の頭と仙ノ倉山に朝日があたり、赤くて綺麗であった。

5時50分に小屋に忘れ物がないか確認して出発する。 越路乗越まで下る、群馬県側に道が付いている地図を見ると川古温泉経由で猿ケ京温泉への道のようだ。
エビス大黒の頭への登り
エビス大黒の頭への登り
越路乗越からは岩稜帯の登りになる。
途中で上から男女4人組が降りてくる、全て私と同年代のよう、平標山の家を3時半にでてきた、月明かりで明るくヘッドランプは使わなかったと言っていた。天神平まで行くという。
彼らと合ってから20分ほどで私と同年代の男性2人が降りてきた。
岩場で難儀していた、先ほど人達と同じ時間に出てきたと言っていた。彼らは肩の小屋泊まりとのことだ。
エビス大黒の頭
エビス大黒の頭
エビス大黒の頭までは幾つかのニセピークがあり、あれが山頂だと行くとまた目の前にそそり立っている。エビス大黒の頭7時13分着、ほぼエリアマップ時間で来られた。しかし、越路乗越からの登りは疲れた。
山頂からは目の前に仙ノ倉山、振り返れば万太郎山、谷川岳と一直線に山並みが並んでいるのが分かる。そしてこれから歩く仙ノ倉山へと振り返れと尾根に道が続いているのが見える。あれを歩いてきたのだと思うと気持ちが良い。
エビス大黒の頭で10分の休みを取る。
山頂は狭い。
エビス大黒の頭の下りで影を撮る
エビス大黒の頭の下りで影を撮る
仙ノ倉山へは一旦下り、また登り返す。
鞍部の少しエビス大黒の頭寄りで私より年上の男性1人が小さなザックを背負ってきた。肩の小屋泊まりという。
鞍部の少し上にエビス大黒の避難小屋がある、ここも3人宿泊可能だ。
ここからの登りは笹原の道で山頂方向が見えるがなかなかたどりつかない、こういう道が一番疲れるようだ。
仙ノ倉山
仙ノ倉山
疲れた状態で仙ノ倉山山頂に着く。
仙ノ倉山山頂は広く方位盤があった。
周囲の山々の写真を撮ってから休憩をする。
仙ノ倉山への登りで疲れたので方位盤の日陰で休む、少しするとご夫婦がやってきた。
「早いですね」というので、
「あちらから」とエビス大黒の頭を指して言った、
「えつ、向こうから来たのですか、すごいですね」
「いや、すごいことはないですがここへの登りで疲れているので日陰で休んでいるんです、日陰を独占してすみませんね」
と他愛ない会話をした。
平標山・苗場山
平標山・苗場山
仙ノ倉山から平標山は木道などが続いているのが見える。
平標山への途中で5人の人に出会った。皆さん「早いですね」と言ってくださる。その度に「向こうから来たので」と同じ答えをして別れる。
平標山への登りは木の階段でこの階段は好きになれない。
平標山
平標山
平標山から正面に苗場山が平らに右に少し小高くなっているのが見える。
山頂からは、土樽駅への道、松手山経由元橋への道、平標山の家経由平標登山口と3本の道がある。 飲水を新しくしたいので平標山の家へ降りる。
こちらは、ほとんど木道と木の階段で嫌だと思って歩くので余計に疲れがでる。
平標山の家
平標山の家
平標山の家に着くと、おばさんが洗濯物を干していた。
「休ませて下さい」と言うと、
「向こうに休憩小屋があるのでどうぞ」と言う、
「いや日陰で休みたいので、ここで良いですか」
「いいよ、どこでもいいよ」
「水はそこにあるからね」水槽に飲み物が入っていて、隣に空きの水槽があり、そこにホースから勢い良く水がでていた。冷たく美味しかった。
「どこから来たね」
「越路避難小屋からきました」
「男性一人に会わなかったかね」
「仙ノ倉山鞍部の所で合いました」
「やっぱり行ったんだ」
「予約なしで来て素泊まりでシュラフを持ってきてないのでシュラフを貸してあげたよ、夕食はコンビニ弁当を食べていた」
「他のお客は3時半ころ出かけたが、あの人は遅く出かけて行った」
「平標山まで1時間以上掛かっていたから、歩きは遅いので、明るいうちに肩の小屋へ着けるかどうか心配だ、しかも肩の小屋へ予約をしていないといっていた」
「やめた方がいいよと言ったんだが行ってしまたのか」
小屋の人は、このように登山者のことを気遣ってくれる、ありがたいことだ。
会話の後で、肩の小屋へ電話をしていた。
平標山の家でCCレモンを買って飲んだ。
空き缶を小屋に置きに行った時、バスの時刻表があり、バス停までどのくらいの時間ですかと聞くと1時間40分で12時40分にバスがあるよと、今行けば間に合うという。
休憩室に戻って支度をする。時間を聞いたときは1時間40分は余裕であったが、支度中に時間を読み間違えのんびりしてしまった。
出発したのが11時15分、バスまで1時間25分急がなくてはと山道を急ぐ。
林道出合
林道出合
林道出合で11時52分、エリアマップで55分かかる、間に合いそうにないが諦めずに早足で歩く。
林道出合からは道に大石があったり、道がえぐれていたりと荒れていた、途中伐採箇所からは車が正常に通れる道になる、頭を先に出しながら急ぐ、別荘地に出てきたが人がいない、別荘地の入口付近で散歩中の人に出会い、バス停までの時間を聞くと5分という。時計を見ると余裕がある、しかし、人によって5分の意味が違うので、ここからも急いで歩く、左手に学校がでてきた、バス停は学校の前にあるという。
平標登山口バス停
平標登山口バス停
学校の横から学校の前にでる道がない、道は真直ぐにゲートがある、右に道なりの道を行く、直ぐに駐車場への看板がでる、左の国道17号へでる。
国道を左へ学校に向かい、ゲートの道を左にみて学校の前へでる。よく見ると学校の前、道路の向こう側にバス停が見える。12時34分到着、間に合った。
越後湯沢駅で在来線は15時05分発で充分時間がある。
ここでシャツを取り替えてさっぱりした。汗はほとんどかいていないので温泉には入らなかった。
ソバを食べ、アイスを食べ、時間を潰す。
在来線の改札を偵察、スイカを通す機械がない、駅員に聞くとスイカは使えないという。???同じJRで駅も大きいのに何故使えないのか不思議だ。切符販売所でクレジットカードを出して切符を購入した。売店ではスイカを使える。
在来線はガラガラで4人用ボックスを独り占め、途中、土樽駅で数人の登山者が乗り込んできた。
この在来線に乗るのは何十年ぶりか、昔スキーに来た時に乗ったので40年ぶり位か、上野駅から並んで座席を取り、立ったまま越後湯沢までの人もいた、ほとんどスキー客である。今のスキー場は閑古鳥が鳴くほど客が少ないのとは対照的だ。スキーリフトの待ち時間も30分は普通に並んでいた、今はほとんど待ちがない状態である。
水上駅、高崎駅乗り換えで帰ってきた。
こうして、上越国境の山旅を終えた。
10月の紅葉の時期に馬蹄形を歩こう。
一日目 天神平9:05~9:43熊穴沢避難小屋9:49~11:33肩の小屋11:43~12:50オジカ沢の頭13:00~13:54大障子避難小屋14:15~15:54万太郎山16:02~16:32越路避難小屋(泊まり)
所要時間:7:27(内休憩0:55分、実質歩行時間6:32)エリアマップ5:55
二日目 越路避難小屋5:50~7:23エビス大黒の頭7:33~8:44仙ノ倉山9:00~9:50平標山10:00~10:34平標山の家11:15~12:34平標登山口バス停
所要時間:6:44(内休憩1:17、実質歩行時間5:27)エリアマップ5:15

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